財務省(旧大蔵省)に勤める父と、服飾デザイナーの母との間に、1954年(昭和29年)11月11日生まれる。1958年(昭和33年)4歳の時に描いた「駅のつばめ」が二科展に入選。小学校二年生のときに両親が離婚。母子家庭で育つ。
1973年(昭和48年)4月、日本大学芸術学部美術学課デザイン科に入学。中野区にアパートを借りて独り暮らしを始める。紳士服メーカー(大賀株式会社/旧)東京本社)の宣伝部でアルバイトをしながら学費を稼ぐ。芸術祭では、8ミリフィルムによるアニメーションを制作して上映するなど、キャンパスライフを謳歌する。電通のクリエイティブ ディレクターが講師を務める武下ゼミに惹かれ、アドバタイジング デザイン(広告デザイン)を専攻する。卒業制作では、アルバイト先の大賀株式会社のコーポレート・アイデンティティの企画・デザインを行う。
1977年(昭和52年)3月に大学を卒業。翌月、総合広告代理店のクリエイティブ局にグラフィックデザイナーとして入社する。入社半年後にジョブローテーションを兼ねた模擬プレゼンテーションにて、同社役員の亀倉英治氏(グラフィックデザイナー亀倉雄策氏の兄)の意向により、デザイン制作部からCM制作部へ異動。以降、CMディレクターとして働く。
1980年(昭和55年)、久保田宣伝会議 第39回コピーライター養成講座の全課程を修了。広告代理店のCMディレクターとしての枠に囚われず、企画・プレゼン・コピーライト・作詞・絵コンテ・演出・撮影・編集などをマルチに行う。
1989年(平成元年)、12年間勤務した総合広告代理店を退社。同年、学研アニメの神保まつえ氏の推薦を受けて、NHK教育テレビ「英語であそぼ」の番組開発のブレーンになる。番組開発では、高価だったCGを子ども番組に取り入れるべく奔走。手話用として開発されたデータグローブの見本を日商岩井から借り受け、「NHKスペシャル・驚異の小宇宙人体」の制作ラボ(NHKエンタープライズ)で、CGアーティストの町田保氏と共にリアルタイムCGの開発と制作を行う。CGキャラクターの関節とデータグローブのセンサーをリンクさせて動かすリアルタイムCGは、アルファベットのコーナーで放送。このテクノロジーは、「英語であそぼ」のみならず、後の新番組に受け継がれていった。
1990~1991年(平成2~3年)に、NHK教育テレビの子ども料理番組「ひとりでできるもん!」を開発する。同年、株式会社スターシップを設立し、代表取締役になる。翌年の1992年 (平成4年)には、「たのしい算数」と「音楽ファンタジーゆめ」を次々に開発し、1993年(平成5年)には「天才てれびくん」の番組開発を行う。以降、開発した番組が軌道に乗るまで脚本・構成・CGなどで番組制作を担い、それと並行して新しい番組の開発を行うスタイルがパターン化する。NHKの新番組開発を集計すると1990~2000年の10年間で本放送に至った番組は、10本になる。
2001年10月には、「ひとりでできるもん!(まいちゃんのベトナム日記)」にて第38回ABU賞テレビ子ども番組部門の最優秀賞を受賞。同年、第35回アメリカ国際映画ビデオ祭教育部門シルバーアワード賞を受賞する。
テレビ番組以外では、学習研究社の子ども向け映像教材(VHF~DVD)の企画・演出・制作を行う。1988~2004年までの16年間で126巻を制作する。
1996年からは、ベネッセコーポレーションの乳幼児向け通信教育「こどもちゃれんじ」の「ほっぷ・すてっぷ・じゃんぷ」の三誌で「しまじろう」の連載を受け持つ。合わせて、昔話(再話)の執筆や映像教材(DVD)の企画・脚本・制作を行う。
また、知育トイの分野では、SONYの「トーキングカード」や、タカラの「おはなし せんせい(タッチペン絵本)」、世界文化社の「たべものだいすき かるた」などを制作。
幼児教室の映像教材では、イマジン・チャイルド・デベロップメントセンター(DVD24巻)と、しちだ・教育研究所(DVD24巻)、ヤマハ音楽教室などの制作を行う。
1999年7月には、企画・脚本・作詞・演出を担当した映像教材の「しつけハウツー」が幼児/教養・情操部門で文部科学省選定を受ける。以後、このコンテンツは、しつけ教材の手本として、幼稚園や教育機関などで広く活用される。
2005年からは、P&Gのおむつのキャラクターである「パンパ」をソニー・クリエイティブと共同で育てたり、CS放送のキッズステーションの子ども防犯番組「Kin-Qキッズ☆おたすK隊」や、ポニーキャニオンのアニメDVD「白い犬のジェイク/葉祥明」の制作などを行う。
その他、博覧会の上映作品では、「ゆめ博覧会/東北電力パビリオン(NHKプロモーション)」や「リスボン国際博覧会(東急エージェンシー)」「愛知万博/NEDOパビリオン(NHKエンタープライズ21)」の企画・脚本・演出に携わる。
2003年(平成15年)には、女子栄養大学名誉教授の足立己幸氏の推薦を受け、厚生労働省の食育検討委員になる。NHK「ひとりで できるもん!」などの番組制作の経験を基に「食を通じた子どもの健全育成」の活動の一環として、各地での講演やシンポジウムに力を注ぐ。
2007年(平成19年)からは、発達障害の子どもの視覚優位傾向に着目し、「見て学ぶ」映像学習教材の開発を行う。2007~2017年(平成19~29年)までの10年間で制作した発達障害の子ども向けの家庭療育映像教材は、130タイトルを超えている。
スターシップ創立25周年1月の時点では、520本を超える脚本を執筆し、698曲(JASRAC登録楽曲)の作詞を行っている。